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猛暑をもたらす新しい夏の高気圧

 今年の夏は全国的に記録的な猛暑となった。9月に入っても真夏なみの気温が続いている。本日は9月22日(彼岸の中日)であるが、ようやく日本海から秋雨前線が南下し、大陸からの移動性高気圧からの涼しい空気が日本列島に流れ込んでくる。ただ、ベースの気温が高い(もともと大気が暖められている)ため、最高気温は日本の南部ではせいぜい30℃前後まで下がる程度で、本来は大体8月下旬から9月上旬の気温である。

 さて、私は、10年くらい前から、それまでは北緯30度から35度くらいにあった夏季の太平洋高気圧の中心の位置が、地上天気図で北緯40度から45度くらいの高緯度にあることがたびたびあり、そのために台風が東北、北海道の太平洋側から上陸するという、今までにはなかったコースをとる台風が現れるようになった。また、太平洋高気圧のある緯度が高いため、オホーツク海高気圧の南下をせき止める働きをしているように考えられた。実際、昨年と今年の梅雨どきから8月にかけて、オホーツク海高気圧がほとんど現れなかった。これも今までにはなかったことである。

 このことについて、三重大学の大学院生の女性が詳しく研究されたことが東北放送のHPに記載されていた。

それによると、通常の太平洋高気圧の北方に、「南北傾斜高気圧」という高気圧が発生するようになった。「南北傾斜高気圧」は、上空にいくにつれて中心が北に傾いていることから名づけられた。

その高気圧の特徴は以下のとおりである。

・北海道付近の上空を西から東へ吹く偏西風が地球温暖化の影響で北へ大きく蛇行したことにより発生する。

・偏西風がユーラシア大陸の北東部周辺で曲がり、蛇行部分に高気圧が発生する。

・この高気圧が地表付近にある別の高気圧の上にいすわることにより、下層の高気圧を強める。

・オホーツク海高気圧の南下を抑え、冷たい北東の風「やませ」をブロックするため、東北地方に冷夏ではなく

猛暑をもたらす。