文部科学省は、令和6年7月の記録的高温と7月下旬の北日本日本海側の大雨に、地球温暖化がどの程度寄与していたか、文部科学省気候変動予測先端研究プログラムにおいて、気象庁気象研究所と協力して速報的に解析した。その結果、両者とも地球温暖化が寄与していることが判明したと9月2日発表した。
その解析手法は、EA(イベント・アトリビューション)という手法である。
EA手法には、予測型手法と量的手法がある。
前者は、特定の極端現象の発生確率に対する地球温暖化の影響を解析するもので、モデルに与える観測データのかわりに気象庁が提供する3か月予報データから与えることで、情報発信までにかかる時間を大幅に短縮できる。
後者は、高解像度モデルを用いて実際の極端現象を忠実に再現したシュミレーションと、そこから温暖化差分(工業化以降から現在までの気温や海面水温等の変化)を除去したシュミレーションを行い、総降水量の違いを評価する指標である。
上記のEA手法による解析の結果、両者とも有意な結果が検出された。
すなわち、令和6年7月の記録的高温と7月下旬の北日本日本海側の大雨に、地球温暖化が寄与していたことは明らかな結果となった。
さて、明日11月11日から22日、約200の国・地域の首脳らが地球温暖化対策を話し合う国連の気候変動枠組み条約第29締約国会議(COP29)が、アゼルバイジャンの首都バクーで開かれる。温暖化対策の行方を会議の状況から見てみたい。
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