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水道事業の官民連携(海外の状況)の論文が掲載されました

用水と廃水3月号に、前号の続きの論文「海外における水道事業の官民連携と日本への示唆」が掲載されました。

論文の「まとめ」の部分を全文引用します。

 

諸外国の水道事業の官民連携の歴史は古いが,日本ではまだまだ新しく,方策を模索しながら進めている状態だといえる。歴史の古いスランスなどの諸外国から学ぶことは多いと考えられる。

近年,水道事業の官民連携について,海外の再公営化の事例等から,日本も民営化を押しとどめようとする声がある。しかし,海外(フランス等)の「再公営化」は,日本の「再公営化」とは少し違ったところがあり,「コンセッション」の内容も海外(フランス等)と日本とでは,その定義に違いがみられる。

また,フランスの再公営化された事業者数は、総事業者数の0.6%にすぎない。

いくら再公営化の流れもあるといっても、それを針小棒大に扱うのは客観的に見る,また全体を俯瞰するということに反することである。そのことからは,日本における理系,文系の明確な区分が影響を及ぼしている可能性が考えられる。

日本においても,コンセッション方式の導入=民営化ではない。フランスだけでなく日本でも,水道事業は公共が最終責任を負っていて,コンセッション方式は,その大きな枠組みの中で,民間のノウハウ・技術・資金などを効果的・効率的に活用しようとする官民連携手法の一つである。

すでに日本の事例にあるように,水道広域化とともに,それに組み入れて官民連携を進めると,より効果的に水道事業の抱える諸問題を解決できると考える。

また,日本においても,DXICTCPSIoT等の最新技術をさらに活用していくことが問題解決の糸口になると考える。

 フランスには,DSPに見られるように多様な事業スキームを,イギリスには,効果的な法規制の改革と,それによる小規模事業体の非効率性の解決(1600あった事業体を10に減らせた)を,ドイツにはシュタットベルケと住民の信頼度の高さを学び,今後の日本の水道事業がより市民の信頼を得て,諸問題が解決の方向に向かうことを願っている。